毎月十八日は観音様のご縁日です
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五穀豊穣をもたらす春の雨が降る時期となってきました。

毎月十八日は観音様のご縁日です。光明閣では、ご縁日に観音様の御前にて、ご供養申し上げております。

さて、光明閣の観音様にお参りし、線香をお供えする際、目に入ってくる文字があると思います。
観音様の台座を見ていただくと、「観世音」と刻まれています。

勘の良い方ですと、観音様が「観世音」であるということに気づくかもしれません。
実際に、観音様は「観世音菩薩」とも呼ばれる菩薩様です。

では、なぜ「観世音」なのでしょうか。

「観世音」とは、「世音を観ずる」という意味があります。世音とは、世の中のあらゆる人々の声です。
それを観音様は「観る」のです。「見る」でも「聞く」でもなく「観る」のです。

「観」とは、仏教辞典には「心静かな清らかな境地で、世界のありのままを正しくながめる」と記されています。
対して「見る」や「聞く」は、単に見たり聞いたりする事であり、「正しく」ながめるという意味は含まれません。
「見る」と「観る」では言葉の奥行きが違うのです。

観音様は、あらゆる声を正しく観て、智慧と慈悲の心によって救ってくださる存在です。
そんな観音様がいらっしゃるということが、私達の心の支えとなるのではないでしょうか。

光明閣にいらっしゃった際には、観音様が「観守って」下さっていることを想いながらお参りしてみてはいかがでしょうか。

引用元:中村元『仏教語大辞典』東京書籍,1981年

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